騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

2023-01-01から1年間の記事一覧

ムーミンって何?

埼玉の飯能にあるムーミンバレーパークに行こうと思い、 行く前にムーミン物語の作者のトーベ・ヤンソンについて書かれた本を読んだ。 ずっとトーベ・ヤンソンは児童文学作家だと思っていたのだが 最初は、社会風刺画家として世に知られるようになったと知っ…

9月になると思い出す

今は手放してしまったけど、毎年9月になると思い出す絵本。 九月姫とウグイス 文 サマセット・モーム 訳 光吉夏弥 絵 武井武雄 持っていた頃は、季節の絵本を玄関に飾るのを楽しみにしていて なかでもこの絵本はお気に入りだったから 早くこの絵本を飾りた…

男は老いて神となり、女は老いて妖怪となる

狙われた身体 病いと妖怪とジェンダー 安井眞奈美 著 「妖怪とジェンダー」この言葉を見た時、何かが私の中で合点して ジェンダー=得体のしれない異性の性質と読み解けば 妖怪に女性が多いのもわかると本を読む前から妙に納得した私。 雪女、姑獲鳥、砂かけ…

わたしも眠れないのぉおおお

あたし、ねむれないの カイ・ベックマン作 ペール・ベックマン絵 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 図書館で「あたし、ねむれないの」という絵本を見つけて、速攻借りた。 私のことやん。って思って。 デフォ不…

そっくりな絵本 

とんでもなく暑いので目だけでも涼しくなろうと 図書館で「雪」の文字の入った絵本を探した。 で、借りたのが「ゆきのひのおくりもの」。 この絵本は、うつになって物を捨てまくる前に持っていて お気に入りでよく部屋に飾っていた絵本だ。 私が持っていたの…

読みくらべ

「まどのそとのそのまたむこう」 大好きなモーリス・センダックの絵本。 この絵本の絵をかわいいと思う人は少ないかもしれない。 どの絵も暗く、写実的なようでいて現実離れしていてとってもセンダックらしい。 一番可愛いはずのあかちゃんがとっても不気味…

パンはしあわせの食べ物

ジオジオのパンやさん 岸田衿子作 中谷千代子絵 大好きな絵本「ジオジオのかんむり」は 読み終わった後、やさしい気持ちになれるが 王者の老いと孤独がテーマになので悲しさや切なさもある。 しかし、この本(絵本というには分厚い)のジオジオにはそんな哀…

かわいさに心が和む

せかいいちのいちご 林 木林 作 庄野ナホコ 絵 森のくまさんといちごの絵ならそんなに違和感を感じないが 氷の国に住むしろくまがいちごを大事そうにみつめいている表紙絵は ちょっと意外で目に止まった。 絵本をめくってみれば「かわいい~♪」って言葉しか …

鉛筆で描かれた犬が愛おしい

アンジュール ある犬の物語 ガブリエル・バンサン 鉛筆でさらっと描かれた下書きのような絵だけの絵本。 文章はない。 初めて本屋で見かけたときはびっくりした。 これで出版できるの?って。 こんなラフな絵で? 下書きのままで?って。 でも手にとってちょ…

ドードーに会いたい

ドードーをめぐる堂々めぐり 川端裕人著 :::::::::::::::::::::::::::::::::::: ドードー鳥、とっても気になる。 特に鳥が好きなわけではないのに ドードーのイラストがプリントされたグッズなど見ると欲しくなる。 可…

犬と猫がいればいい

子のない夫婦とネコ 群ようこ著 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大好きな群ようこの短編小説集。 犬猫の写真を観ているわけでもないのに 文字を追ってるだけなのに まるで目の前にいる犬猫を愛でているかのよ…

犬生は人間次第

ある女の子のための犬のお話 ダーチャ・マライーニ著 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この本の「わたし」が関わった犬の物語集。 アイスクリームが好きな犬、文句ばっかり言う犬、飛ぶことが大好きな犬。 可愛くてちょっと…

すべてに意味を求めてはいけない

人生なんて無意味だ ヤンネ・テラー 著 意味のあるものなんてこの世には何もない。 ものはみな始まったとたん終わりに向かっている。 だから何をしても意味がない、無益だ。 自分の存在意義、人生の意味。 人生について世界についておぼろげに見えてきた思春…

傷を笑いにかえる

秘密のノート ジョー・コットリル著 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 前回の「レモンの図書室」と同じ著者の本。 「レモンの~」がドストライクに好みだったので図書館で迷わず借りてきた。 「レモンの~」はヤング…

わたしは大丈夫という呪文

レモンの図書室 ジョー・コットリル著 本が大好きなカリプソはいつも一人。 でも大丈夫、ひとりでも幸せだ。 ママが子供のころに読んでいた本に囲まれて幸せ。 自分の一番の友だちは自分、頼りになるのは自分の強い心だけ。 そうパパに教えられて生きてきた…

本を眺める楽しみ

私の本棚 新潮社編 本が好きだ。 もちろん文章を読むのが好きなわけだが それ以上に本の存在そのものが大好きだ。 “モノ”としては紙の集合体にすぎないけど その中は文字や絵や写真を通して未知の世界が広がっている。 だからだろう、本の背表紙を眺めている…

ルッキズム支配

かわいい子ランキング ブリジット・ヤング著 衝撃的なタイトルとかわいい装丁で手に取らずにはいられなかった本。 今の時代、かわいい子ランキングなんてあっていいのか? 生徒たちに突然送られてきた8年生の女子のかわいい子ランキング。 1位から50位までの…

言葉の怖さ

パッとしない子 辻村深月著 小学校教師が国民的アイドルのかつての教え子に再会し、 先生と二人で話がしたいと言われ、気分良く応じたら 聞かされたのは自分が過去に言った彼と彼の弟を傷つけ言葉の数々。 あなたが放った言葉で如何に傷ついたか、 どれだけ…

人間も動物も結局見た目

やさしいライオン やなせたかし著 やなせたかしと言えばアンパンマンを思い浮かべる人が多いだろうが 私は「やさしいライオン」と「チリンの鈴」、 この2冊の絵本を思い出す。 大好きで大事な2冊の絵本。と言っても手元にはない。 好きなら買って手元に置い…