騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

本を眺める楽しみ

私の本棚  新潮社編 

本が好きだ。

もちろん文章を読むのが好きなわけだが

それ以上に本の存在そのものが大好きだ。

 “モノ”としては紙の集合体にすぎないけど

その中は文字や絵や写真を通して未知の世界が広がっている。

だからだろう、本の背表紙を眺めているとワクワクするのは。

 

当然、本屋も図書館も大好きだ。

そこには無数の夢と希望と可能性がある。

(私にしてはかなりポジティブなワードのラインナップ)

一生かかっても知り得ることのできない知識や事象、歴史、概念etc.

 

                    

 

そして人様の本棚を見るのもこれまたとっても楽しい。

「本棚は人を表す」と言われるように

本棚は、その人の趣味、思考、嗜好、価値観が可視化されたようなものだ。

本だけでなく、それを収納している本棚や本の並べ方、

すべてにその人となりが現れるから面白い。

 

面白いから本棚を眺めるのを趣味としたいところだが

人様の本棚を見る機会などめったにないというかまず、無い。

しかし私と同じように興味ある人が多いのだろう。

こんな本があるくらいだから。

 

皆さん著名な方なので非正規労働者の私と違って財力があるから

その蔵書たるやものすごいことになっている。

そして皆が一様に頭を悩ませているのが本の収納。

オーダーメイドで本棚を作ったり、本のために部屋を借りたり、

その家賃に困ってその部屋を撮影スタジオとして貸し出したり、もうレベルが違う。

けっこうな本好きを自負していた私だがこれを読んで

「なんかぁ、本好きって言ってすみません」って謝りたくなった。

 

本が好きなわりに私、本をあんまり持ってないのだ。

50冊くらいか。

かつてはどっさり持っていた。多分1000冊くらいはあった。

本を捨てるなんて考えたこともなかったし、

欲しい本はあまり値段を気にせずに購入していた。

本以外のものを買うハードルは高いくせに本にはハードルがなかった。

 

夢は、壁一面の本棚。

壁一面を埋めるためには、まだまだ足りない。

買って買って買って・・・

いつか、お金を稼げるようになったら・・・

いつか、家を持ったら・・・

 

                 

 

気がつけば50代、そんないつかは来なかった。

諦めたのとは違う。思考が変わった。

うつを患って本が読めなくなった時、

あんなに大事だった本が邪魔になってほとんど処分した。

そして物を捨てたい病に罹って物を持つことがストレスになって

電子書籍を利用したらその手軽さと便利さに感動した。               

 

だけどやっぱり本の背表紙を愛でたい欲がある。

自分の本棚は、しょぼいから見ても面白くないので

こんな風に人様の本棚を覗き見できる本は

私に最高の娯楽を与えてくれる。