騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

女性の結婚と仕事

続・あしながおじさん 

ジーン・ウェブスター  新潮社

あしながおじさんの続編で原題は、DEAR ENEMY。

親愛なる敵様といったところだろうか。

敵様とは、孤児院院長のサリーが

手紙を送る仕事仲間の医師マクレイ先生のこと。         

            

あしながおじさんの物語は、

ジュディが思いを寄せるジャービス坊っちゃん

あしながおじさんだとわかったところで終わっている。

続編は、ジュディの友人サリーが

ジャービスとジュディ夫妻から

ジョン・グリアー孤児院院長を指名されて

驚いている様子から始まる。

 

ジュディはジャービスと結婚して

幸せに超リッチに暮らしている様子が

私が想像していたジュディの将来と違っていた。

あしながおじさんに出てくるジュディは、

援助してもらったお金は、全額返済したいと

大学卒業後、作家として独立すべく奮闘していたのに

まさかの専業主婦、それも超玉の輿。

 

赤毛のアンアン・シャーリー

大学を出て、学校校長まで勤めたのに

結婚であっさりそのキャリアを捨て専業主婦に治まる。

ジュディもアンも

養ってくれる男を獲得したとたん、

作家への夢や自立の願望が無かったことになってる。

 

今と違って女性参政権すらない時代に

女性が自立するのは難しいことだろうが

ジュディやアンが迷わず

専業主婦に落ち着いてしまうのが腑に落ちないのは

この時代のジェンダーロールを

理解してないからだろうか。

孤児院出身のジュディが有閑マダムに落ち着き、

裕福な家庭に生まれたお嬢様のサリーが

孤児院院長になり、

孤児院の運営にのめり込み、

その天職を捨てて

結婚しよう(専業主婦になれ)という

恋人のプロポーズを断ってしまう。

(まぁ、他に愛する人を見つけたからね)

 

少女時代のジュディから

夫にべったり依存している姿は想像し難くて

むしろ、サリーの生き方こそが

ジュディの将来の姿に思える。

孤児院出身の女の子が超リッチな男と幸せな結婚する

シンデレラストーリーがモヤモヤして

受け入れられないのは、ぼっち女の僻み・・か?