かわいい子ランキング ブリジット・ヤング著
衝撃的なタイトルとかわいい装丁で手に取らずにはいられなかった本。
今の時代、かわいい子ランキングなんてあっていいのか?
生徒たちに突然送られてきた8年生の女子のかわいい子ランキング。
1位から50位までのランキング。
みんなの予想を裏切って1位は、地味で本ばっかり読んでてぼーっとしているイヴ。
誰もが憧れる人気者のソフィーが2位。
自分の世界に満足してひっそり生きていたのに
いきなり学校の中心人物になってとまどうイヴと
自分が1番じゃないこと、誰かの下になったことががまんできないソフィー。
そしてランキングに入ってもいない、ぽっちゃりタイプのイヴの親友ネッサ。
イヴが1位だと知るやいなや、言い寄ってくる男子や
話したこともないのに「私達前から仲良しだよね感」を出してくる女子。
ランキングを作った犯人探しが始まると
イヴが自分で作ったんだろうと言い出す人もでてきて・・
親や学校を巻き込んでの大騒動。
容姿で評価を変えたりしない、そんなの当然でしょ?って
誰もが私はまともで善良で差別なんてしない人間ですよ。って顔をしているがその実、
世はルッキズムにあふれている。
未だにミス〇〇コンテストなんてやってるし。
受付とか窓口にはだいだいきれーなお姉さんが座ってる。
おじちゃんやおばちゃんはいない。
就職の面接だって見目麗しい方が有利だってわかってるから
就活前にプチ整形する人がいるわけだし。
それこそ婚活においては絶賛!ルッキズム、ビバ!ルッキズムで。
世はルッキズムで支配されていると誰もがわかっている。
だけどそれを認めるのは、なんか人間としてクズっぽいというか、
そもそもそんな自分の容姿はどうなんだと言われたら・・・
だから建前だけでもルッキズムを否定するしかない。
小説の世界では、かわいい子ランキングも
人生のスパイス的なもので終着しそうだけど
現実はそんなにゆるくない。
目の下のクマとり手術とたるみ取りの糸リフトに何十万円も払った。
それでも底辺に変わりはないから
鏡に映る自分の顔をなるべく見ないように目を伏せてしまう。
こんな容姿じゃなかったら、もっとかわいく生まれていたらと
50過ぎたおぼさんになった今でも考える。
きっと死ぬまでルッキズムに支配されるのだ。