騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

ドードーに会いたい

ドードーをめぐる堂々めぐり   川端裕人

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ドードー鳥、とっても気になる。

特に鳥が好きなわけではないのに

ドードーのイラストがプリントされたグッズなど見ると欲しくなる。

可愛くはない。でも心惹かれる。

 

数年前、ドードーの絵をふと描きたくなって参考資料にしようと

ドードーの写真をネットで探した。

しかし、探しても探しても誰かが描いた絵は出てくるけど写真はでてこない。

仕方なく「これじゃパクリじゃん」って思いながら

その誰かが描いた絵を参考に絵を描いた。

 

          

 

この本を読んで写真がでてこない理由がわかった。

絶滅したのは知っていたけど400年近くも昔、1662年に絶滅していたとは。

1662年、日本は江戸時代。

カメラなんてあるわけない、そりゃ写真がなくて当然だ。

 

そんな大昔に絶滅した遠い異国、モーリシャス島の固有種であるドードー

なんと日本に来ていたことがあるというから驚きだ。

長崎の出島に来ていたらしい。

三代将軍徳川家光の時代、がっつり“お江戸な”日本にドードーがいたのだ。

侍が闊歩する景色の中にドードーがいるのを想像するとちょっとシュールにも思える。

 

はるばる日本までやってきた珍鳥ドードー

日本に上陸した後の足取りがわからないときている。

おそらく将軍や地位のある人に見せる(売る)ために連れてこられたのだろうが

偉い人達がその姿を見た記録が残ってないし、

結局どこでその生涯を終えたのかがさっぱりわからないのだ。

出島から江戸に向かったのか、そのまま出島に留まったのか。

あんな目立つ鳥の消息がわからないなんて謎だ。

 

                   

 

そもそも謎だらけの鳥だ。

ドードーという名前の由来もはっきりしないし、その容姿もよくわからない。

私がイメージするドードーは「不思議の国のアリス」の挿絵、

ジョン・テニエルが描くドードーそのもの。

私のような人は多いと思うが、どうもそのドードー像が間違っているようだ。

ずんぐりした容姿ではなくて実際はもう少しほっそりしていたらしい。

体高60~70センチ、体重10~20キロ。

ほっそりしていたと言っても目の前にいたらさぞや大きく感じるだろう。

しかしすべて推測の域を出ない。

 

色は褐色~灰色で白ドードーも描かれているが白ドードーは実在しなかった。

ではなぜ白ドードーの絵が残っているのか。

白いのがいたらいいな~って願望で描いたのか。

食生活も行動もわかっていない。

ま、人間の存在が絶滅の原因だということだけはわかっているけど。

(つくづく人間って地球にとって害悪でしかないわ)

 

かつてはあったらしいドードーの剥製は劣化により処分されて

今見られる剥製は本物ではなく最近作られた複製だなんて。

現存するのは、ごくごく少数の骨と皮だけだなんて。

絶滅してるなんて。

 

ドードー、どこかでひっそり生きてやしないだろうか。