騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

犬と猫がいればいい

子のない夫婦とネコ  群ようこ 

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大好きな群ようこの短編小説集。

犬猫の写真を観ているわけでもないのに

文字を追ってるだけなのに

まるで目の前にいる犬猫を愛でているかのように

顔をデレデレさせながら最後まで読んだ。

「そうそう猫ってこんな感じ、犬ってこんな感じ」と

文字を頭の中で画像変換して今まで私が出会った犬猫たちに置き換えて

「ああ~なんて可愛いのかしらん♪」と身悶えしながらニマニマ。

そしてそんな犬猫に振り回されてる人間の様子に激しく共感して

「うんうん、そうなるよね~しょうがないよね~」とうなずく。

          

猫を間にして川の字で寝るのが最高に幸せな子なし夫婦。

職場での猫好きネットワークの絆の強さ。

猫の動画が撮りたいがためにガラケーからスマホに買い替える母親。

野良猫がいつでも来れるようにと古い家を建て替えずに暮らす姉妹。

我が子にも抱かなかった愛情を捨て犬にそそぐ男やもめ。

 

ああうらやましい。

とくに「年の差夫婦と犬と猫」の話なんてもうこれ理想すぎん?

18歳年下の夫と事実婚で引き取り手のない犬猫と暮らすなんて。

 

50歳を過ぎた単身者(私)が犬猫を飼うのはちょっと難しい。

犬猫の寿命も伸びてきて人間の方が先にあの世に逝くリスクが高いから

単身者は保護犬猫の里親になれないらしいし、

一匹で取り残される犬猫のことを思うと

どんなに彼らのことが愛おしくてもおいそれと飼うことはできない。

 

その点、とっても若いパートナーがいれば安心だ。

事故にあったり病気になることに年齢は関係ないから

100%リスク回避できるわけじゃないけど

50過ぎの独居ババアの家で飼われるよりはよっぽど安心するだろう。

犬も猫も周りの人間も。

 

             

あ~あ・・とデレデレしつつため息が出た。

この小説に出てくる人間達は皆犬猫がいれば大丈夫、幸せって思ってる人たちだ。

家族のもめごとも人間関係のわずらわしさも

そこに犬猫がいれば取るに足らないどーでもいいことになって

ただひたすらに犬猫を愛でてしあわせに浸っている。

 

人間嫌いでHSP発達障害の疑いのある私だって

そばに犬猫がいればきっと万年鬱状態から抜け出して

毎日「しあわせ~♪」って言えると思うんだけどな。

でもそのためには独居をどうにかしなくちゃいけなくて、

でも誰かと同居するとより一層、鬱傾向が強くなって

また心療内科のお世話になること請け合いで。

はあ~

こういう犬猫小説読んで疑似体験してセロトニンを増やすしかないか。