幽霊を信じるかと聞かれれば、
信じているわけではないが全否定もしないと答える。
子どもの頃は信じきっていた。
何かを視たわけじゃないが否定する理由もなかった。
お岩さん、口裂け女、こっくりさん、天井下り、トイレの花子さん・・
どれもこれも心から怖かった。
大人になってそれらは一種のエンターテイメントになり
真実ではなくなったが
頭から否定するのは人間の傲慢だと思っている。
私は視えない、何も感じない。
だけど勘が働くことがたま~にある。
ある場所で、なんかココ嫌だな~と思うこともある。
誰でもそれくらいはあるのではないだろうか。
この勘、なんか嫌だなって感覚って何?
幽霊が視える、幽体離脱をした、予知夢、念力、ポルターガイスト。
嘘をついている人もいるだろう。
金儲けが目的の詐欺師もいるだろう。
だけど全員が嘘をついているとも思えない。
きっと何かを視て、何かを感じているのだ。
その何かの正体が知りたくてこの本を買った。
妹は視える。
私と妹は仲が良くないのでお互いの近況を知らないのに
たまに会うと、ぞっとさせられる。
原因不明の左肩の激痛で困ってた時も
(おっさんがぶらさがっていた)
会社でトラブルばかり起こす部下に困り果ててた時も
(部下の不倫相手が私に嫉妬?して取り憑いていた)
私が言う前にそれを具体的に指摘した。
10年以上履いてヨレヨレのブーツ。
捨てようとゴミ袋に入れるも
ゴミ出しの直前で袋から戻すってことを繰り返していた。
なぜ捨てられないのかと不思議に思っていたら
「ブーツに女の顔が二つ付いてるから処分した方が良い。」
と言われ鳥肌がたった。
人間の脳が精緻さ故、誤作動をおこしやすいのは分かるが
脳の機能すべてはまだ解明されていないのだ。
“誤作動”で片付けてしまっていいのか。
人は見たいものを見る。
視覚は容易に錯覚する。
都合よく記憶をすり替える。
意味のない現象に意味を見出す。
わりと簡単にマインドコントロールされる。
では、妹には何が視えているのだろう。
なぜ、妹には視えて私には視えないのか。
妹曰く「皆視えてるんだよ。ただ、それと気づかないだけ。」
視たくないものを視て怯え、体を蝕まれ、
棺桶に片足突っ込んでる妹の脳は、何をしているのだろうか。