騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

ヘルジャパン

日本に住む女性で

一度もハラスメントを受けたことがない人がいるだろうか。

セクハラ・パワハラモラハラ・マタハラ・・・・

「いい奥さんになれるよ」

「あなたはみたいに私は強くない」

「悪気はないんだから許してあげたら?」

「最近の若い奴は、根性がない」

「冗談なのに、何まじになってんの?」

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私が無職なのは、会社でのパワハラが原因だ。

パワハラによるメンタル崩壊→休職→退職→無職・通院中。

人事部に相談したが何も変わらなかった。

パワハラ加害者、すなわち

社内でパワーの大きい人、権力を握ってる人・・人事部も逆らえない。

 

誰の目にも明らかなハラスメントをするバカは少ない。

当人だけにわかる嫌がらせをする。

三者には、ハラスメントには見えない。

ハラスメント加害者がのさばり、

被害者が、糾弾、誹謗、中傷されるヘルジャパン。

            

パワハラ真っ最中、

20代、30代のセクハラ真っ只中にこの本に出会っていたら。

「言葉の護身術」を知っていたら。

bot返し、エジソン返し、明菜返し、ハシビロコウのような真顔・・・

本書は、大笑いしながら読める上に活用できる護身術が満載。

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ハラスメントをうまくかわす方法を教える本ではない。

ハラスメントは、笑顔でかわすものじゃない。

ハラスメントされたらちゃんと怒る。

間違ったことをしていると相手にわからせる。

怒るべき時に怒らないと自分の権利は守れないと言っている。

               

自分の意見を言う女がバカを見るヘルジャパン。

男に媚びる概念のなかった私は、

無愛想、可愛げがない、嫁に行けない等々言われ続け、

予言通り(?)50過ぎても独身だ。

反対にいつもニコニコ、

セクハラも笑顔でかわした同僚は、20代で結婚した。

 

嫌なことをされても嫌と言わず、

“うまくかわすのがデキル大人” なんて大間違い、

ハラスメントから逃げてるだけだ。

笑顔で加害者の気分を良くさせるからハラスメントがなくならないのだ。

それは、ハラスメント加害者と同罪だ。

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現在、私が社会人になった頃よりマシになったのは、

ハラスメントと戦う人がいたからだ。

笑顔で流さす、NOとはっきり言い、行動した人のおかげだ。

 

私が会社に入って最初に覚えたのは、

部長の湯呑とコーヒーの好み。

朝の上長へお茶出し、昼食後の食器洗い、ゴミ集め、

女性社員だけがやらされた。

今じゃこれはセクハラだと誰もが認識する時代になったが、

古いジェンダー観に支配されて苦しむ女性が多いのは

ジェンダーギャップ指数120位ヘルジャパンのヘルジャパンたる所以。

 

この本をハラスメントに苦しむ人、いや、

ハラスメントに無関心な人こそ読んでほしい。

なんなら国家予算を使って配布してほしい。

まあ、

男の既得権益を守るための男尊女卑、家父長システムを脅かす要素は

権力じじいが必死で排除するだろうけど。

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