騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

老いと孤独

ジオジオのかんむり
 

ジオジオは、王様のライオン。

誰もが恐れる強い王様。

ピカピカ光る冠を見ただけで皆、隠れてしまう。

強者の孤独。

強者の王様も年をとる。

老いを感じた時、さらなる孤独が襲ってくる。

                

私は強者ではないから、

強者、上に立つ者の孤独はわからないが

容易に想像することは出来る。

反対に弱者は、どうだろう。

弱者は、数が多くていつも群れてるから孤独じゃない?

そんなことはない。

弱者だって孤独だ。

 

上司からのパワハラで病んで無職になった私は、

上司が強者ってことだから弱者だ。

人と関わるのが怖いから

社会復帰もままならない。

未だに無職で、どこにも属さず家にこもってる。

誰とも会わない、孤独な毎日。

 

1年前より増えた白髪、衰えた体力、

着実に老いに向かっている自分。

このままずっと一人で老いていくのだろうか。

それは、怖いことだろうか。

寂しいことだろうか。

                

一人で老いることよりも

人と関わることの方が何倍も怖い私は、

一人で老いてそれで終わりなら

それが一番良いと思っている。

しかし、近い未来には、

食べていくために社会に戻らなければいけない。

老いよりも孤独よりも怖い社会に。

 

強者が老いて孤独に飲まれそうになって、

誰かを求めるのは、

他者を怖いと思ったことがないからだろう。

他者が怖くて老いても孤独を選ぶだろう私には、

目が見えなくなったジオジオのように

他者に囲まれて温かくやさしい気持ちで

老いを迎えることは、とても難しいと思う。

 

この絵本を読む度にじわっと涙が出るのは、

老いても孤独な自分を

安易に想像できてしまうから。

ジオジオのようには、

決してなれないとわかってるから。

しょうがないとわかっていても

悲しくて涙が出てしまう。