騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

やられたらやり返す

 

小さな女の子にしかすぎないマチルダ

ひどいことをする自分勝手で理不尽な大人に、

きっちり仕返しをするのが清々しく爽快な物語。

 

金とTVに生きる世俗的で下品なワームウッド夫妻。

我が子に何の興味も持たない最悪な親。

そんな親元に生まれた天才マチルダ

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親のせい、育った環境のせいにして哀れんでひねくれるのは簡単だが

チルダは、生まれた環境を悲観して投げやりになったりせず

その頭の良さで打破していく。

バカな親とは早々に見切りをつけ、自分に見合う環境を手に入れる。

血縁だからとしがみつかないところが良い。

生物学的上のつながりが必ずしも最良ではないとマチルダはわかっている。

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親が手続きを忘れたせいで遅れて入った学校は、

校長のミス・トランチブルが支配していた。

ミス・トランチブルの楽しみは、

子どもを投げ飛ばすこと、こらしめること、いじめること。

子ども嫌いで暴力的で残忍なミス・トランチブルの理想は

“一人も生徒のいない学校“

なぜ、学校の校長をやってるのだろう。

 

チルダは暴力にも屈しない。

暴力に怒りが頂点に達し、超人的な力を身に着けて

ミス・トランチブルにみっちり仕返しをする。

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大人に仕返しをするなんて悪い子だと批判する人がいたら、

そいつこそ悪い人だ。

大人はいつも正しくて、子どもは未熟だからそれが理解できないのだと

思っているなら、それは傲慢だ。

“ 罪を憎んで人を憎まず ” が信念なら頭がお花畑だし、

“ どんな悪人も許す心の広いやさしいワ・タ・シ♪ “ 自己陶酔型も

頭に花が咲き乱れてる。

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過去に受けた教師や親の理不尽な言動への心のくすぶりが

大人になった今でも残っている。

チルダの仕返しでとそのくすぶりがちょっと浄化されてスッキリする。

私の代わりにじゃんじゃんやってくれ!

 

嬉しいことに映画化されてるので

その昔、TV放映やレンタルビデオで何度も見たが

日本語訳があるのはVHSだけで

DVDは何故か日本語訳がない。

アマプラにもない。

ネトフリや他のネット配信にあるだろうか。