騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

殺人鬼ノーム

庭のこびとノームから身を守る方法  チャック・サンプチーノ著        

ふらっと立ち寄った図書館で目について借りた本。

赤い三角帽をかぶった小人のおじいさん、ノーム。

その存在は、知るともなく知っている。

映画アメリにも出てきたし、

どこの家の庭にもある、とまではいかないけど、

わりと見かけることが多い陶器でできた置物だ。

 

ディズニーの白雪姫に出てくる7人の小人を彷彿とさせる見た目から

善良な妖精の類かと思っていた。

しかしこの本のタイトルには「ノームから身を守る」とある。

なんか気になるではないか。

厚さ1センチほどで写真もたくさん載ってるから

すぐに読み終わるだろうと思い、借りたのだが。

 

       

 

この本は一体どういう心持ちで読めばいいのだろう。

想像と違って妖精のノームについて書かれた本ではなくて、

まさに庭にある置物のノームについて書かれている。

彼らは人間を襲うらしい。

いたずらレベルではなく人間を殺そうとするらしい。

鎌や斧、槍、毒を使って襲うらしい。

・・・・チャッキー?

                    

殺人人形チャッキーを思い浮かべつつ読み進めると

彼らの生態(?)や危険レベル、彼らが使う武器、

はたまた、我ら人間がすべき防衛方法、武器の種類、

ノームを死に至らしめた場合、追悼の儀を請負う葬儀社の紹介など

しごく真面目に書かれている。

           

 

これは、真面目な本なのか?

本気でノームとの戦争がおこると思っている人が書いている本なのか?

それともウイットに富んだ本として受け止め、

あ~面白かったと思うべきなのか?

 

ノームに襲われ命からがら逃げ、

今はFBIの証人保護プログラム下にあり、

ノームからの襲撃から身を隠している人の証言も載っている。

 

ベルリン郊外に住む人がノームに襲われた事件の資料ファイルが

ドイツ警察に保管されていてそのファイルナンバーも本に載っているが、

果たして事実としてそのファイルの存在を調べる術がないので

やっぱり真面目な本なのか、面白本なのかわからない。

 

真剣なのか?

ユーモアなのか?

読んでる間中、この疑問が頭にあって

薄い本なのに読むのにずいぶん時間がかかってしまった。