騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

とりあえず、インゲンが食べたい

サリーおばさんとの一週間 ポリー・ホヴァース

THE TROLLS       Polly Horvath

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急病になったベビーシッターの代わりに

メリッサ、アマンダ、フランクの家にやってきたサリーおばさん。

サリーおばさんの語る、面白くて不思議な話に魅了される子どもたち。

でもパパは、姉のサリーに来てほしくなかったみたい。

 

インゲン、否、ゼンマイの話をするサリーおばさん。

インゲンを指ではさんで回転させ、はしから食べる。

インゲンを口のはしから突き出した牙みたいにして食べる。

子どもたちが嫌いなインゲンを食べながら語られるのは、

ゼンマイの話だけど皆、インゲンに釘付けだ。

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子どもたちに負けず劣らず私もインゲン欲が高まって早速スーパーに行った。

が、インゲンの値段の高さにおののいて買えず。

食べられないとなると増々インゲン欲がふくらんで、

普段は買わない冷凍のインゲンを買った。

袋の半分を蒸して食べた。

インゲンってこんなに美味しかったけ?

冷凍インゲンを3袋ストックしている。

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ルイ叔父さんは本当にトロルを見たのか。

海岸を漁る魔物。「くれたものは返さないよ。」

犬を海岸に置いた人、4人の奥さんを海岸に置いた人、

子供を引きずって海辺に置き去りにした人。

 

そんなに怖がらなくても大丈夫。

トロルが人間に近寄ってくるわけじゃない、

人間の闇が人間をトロルの所に連れて行くのだから。

 

サリーおばさんが語る摩訶不思議で楽しい家族の話と相反して、

パパとサリーおばさんのぎこちない態度。

バラバラな家族。

それは、ジョンとエドワードとサリーがロビー(パパ)にしたことの結果。

 

現実的に、いつでも仲良しこよしの家族なんてあるのだろうか。

何の問題もなく、不変の愛情と信頼で結ばれた家族・・・

「それは家族ファンタジーだ」と思う私がひねくれてる?

 

家族という密な人間関係に潜む闇。

裏切られた信頼は、二度と戻らない。

恐ろしいのものは、人間の内側に住んでいる。

トロルは人間の心の闇の象徴なのかもしれない。

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Polly Horvathの書く物語は、

児童向けだからとハッピーエンドにするのではなく、

かと言って、救いのない終わりでもなく。

現実の闇や残酷さを抜いた“きれいなだけの物語”にしてないところが好きだ。

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