騒音のない世界で本を読む

児童文学好きの読書日記

魔女になりたい

魔女のイメージ。

黒マント、三角帽子、おばあちゃん。

ほうきに乗って空を飛ぶ。

大釜で何かをぐつぐつ煮る。

黒猫、カラス、杖、呪文、魔法。

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魔法が使えるようになりたいと何度願ったことか。

苦しみを与えたい人間が少なからず2人、3人、あー5人はいる。

殺しはしない、楽に死なせてたまるか。

死なない程度の苦しみを

生きるのを止めたくなる苦しみを100年くらい味あわせてやる。

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“小さい魔女”は、たった127才の気のいいおばあちゃん。

おしゃべりなカラスと森奥深く小さな家で暮らしてる。

1日6時間の魔法のおけいこ。

怪我を治すために薬を作る。

杖を振ってチチンプイとはいかないらしい。

ほうきは人間の店で買う。

キキは自分で作って、ハリーは魔法使いの店で買う。(プレゼントだった?)

ワルプルギスの夜とブロッケン山は、この物語の中だけのものと思っていた。

“魔女の薬草箱”から

ワルプルギスの夜は、魔女と悪魔が集まって大騒ぎをするという言い伝えで

ブロッケン山は、ドイツに実在すると知った。

 

ほうきが空を飛ぶのではなく軟膏で空を飛ぶのが事実(?)らしい。

空飛ぶ軟膏を体に塗ればいいので、ほうきじゃなくて豚でも雄羊でもいい。

(って、道具無しで体だけで飛べるじゃん。)

軟膏を塗って全裸でほうきに跨り、ブロッケン山に行く。

全裸で踊り明かすワルプルギスの夜サバト

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アメリカ映画「ウィッチ」のワンシーン。

全裸で空中に浮かぶ魔女たち。

脈絡なく全裸なので意味がわからず謎だったが数年越しで解けた。

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16世紀のヨーロッパでは、魔女の存在は周知の事実だった。

魔女を恐れるあまり、魔女狩りという大虐殺が行われたのは有名な史実。

薬草の知識があれば魔女。

赤ちゃんの死産は魔女である産婆の仕業。

バター作りに失敗すれば「家の前を通った女が呪いをかけた」と

たまたま歩いてただけで魔女。

都合の悪いことは全て魔女の仕業、運悪くそこに居ただけで魔女にされる。

 

魔女狩りは、作り話ではなく人間が行った愚かで残虐な大量殺人。

16世紀から進化していない現代人も同じ過ちを犯す可能性が

十二分にあ・・ホロコーストだ。

ファンタジーでメルヘンなおとぎ話をふんわり思い浮かべて

“魔女になりたい”なんて夢見がちに言えない。

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