邦題が気に入らない。
“魔法”に惹かれてファンタジーを期待した人は、は?てなる。
確かに小見出しに“魔法があるなら”とあるけど・・。
この本が出た頃、
世界中で「ハリー・ポッター」が大ブームになっていた。
その大ヒットにあやかりたかったのか
当時、“魔法”と名の付く本が増えてた記憶がある。
本文に出てくる、
「世界でいちばんすてきなデパート」が良いんじゃないかな。
「世界でいちばんすてきな いちばんワクワクするデパート」
どんなところだろう。
イギリスが舞台だからやっぱりハロッズデパートみたいな感じかな、
行ったことないけど。
優しくて心がきれいで、生活力のないママ
心配性でしっかり者、長女リビー
まだまだ赤ちゃんの妹、アンジェリーン
パパは、いない。
住む家がなくなって、困ったママは、素敵なことを思いつく。
スコットレーズ・デパートに住もう!
世界でいちばんすてきなデパートの暮らしってどんな暮らし?
ご飯は、キゲンギレ。
TVは、一人に30台。
ふかふかのベッド。
屋上庭園で日光浴。
デパートが開店したら急いで学校に行かないと遅刻しちゃう。
出口は毎日変えて、口ひげさんに見つからないように。
帰ってくる時は、
毎日スコットレーズで買い物してるお得意様の顔をして。
ママは、「新しい家が見つかるまでちょっとの間よ。」って言うけれど
リビーは、不安でハラハラドキドキ。
見つかったらどうしよう。
よく見かけるハンサムなミスターMも気になる。
売り場監督の人?
ひょっとしてミスターMもスコットレーズに住んでる?
リビーがやっとスコットレーズの暮らしに慣れてきた頃、事件が起こる。
リビーとママの大活躍。
リビーが話すスコットレーズ・デパートは、
私が子供のころ見たデパートに重なる。
とんでもなく巨大で、
きれいな人がたくさんいて、
いい匂いがして、ピカピカしてた。
ママはいつもよりおしゃれして、
私もお出かけ用のワンピース着せてもらって。
休みの日に行く特別なところ。
帰る前に、いつもメロンシャーベットを食べた。
自分の思い出と相まって、
私もスコットレーズ・デパートに住んでる気になる。
活字を追っているのに、
頭の中で映像に変換されて一気に読み終わる。
子どもが1度は夢見る、デパートに住みたいっていう願いが叶ったみたい。